News & Topics
Topics
2025.10.08
坂口志文 特任教授に竹田潔 IFReC拠点長からのメッセージ
竹田潔拠点長からのメッセージ:
このたび、IFReCの坂口志文先生が2025年度のノーベル生理学・医学賞を受賞されるという、まことに栄誉ある知らせに接し、心よりお祝い申し上げます。坂口先生、誠におめでとうございます。
坂口先生は、1979年に免疫系を制御するT細胞の存在を確信されて以来、1995年にはCD25により制御性T細胞を同定し、2003年にはその分化を司る転写因子Foxp3を明らかにされるなど、免疫学の基盤を根底から変える画期的な発見を次々と成し遂げられました。さらに、制御性T細胞による炎症性T細胞の活性を制御する分子機構の解明にも尽力され、その成果は世界の学術界に多大な影響を及ぼしてきました。
特筆すべきは、研究初期には制御性T細胞の存在が周囲から十分に認められなかったにもかかわらず、信念を貫き、揺るぎない姿勢で研究を続けられた点です。まさに卓越した洞察力と強い信念がもたらした偉業と言えます。
また、坂口先生は研究者として卓越したご業績をお持ちであると同時に、日頃は温厚で、IFReCの運営にも多大なるご尽力を賜っております。さらに、若手研究者の育成にも力を注がれ、その姿勢は多くの研究者の模範となっています。この場をお借りして、深く感謝申し上げます。
今後は、制御性T細胞の知見をもとに、自己免疫疾患やがんの克服に向けた革新的な治療薬の開発が進展することを心より期待しております。
このたびのご受賞、誠におめでとうございます。謹んでお祝い申し上げます。
免疫学フロンティア研究センター
拠点長
竹田潔