連載一覧
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第1回 Tregについて
世界中のTreg研究者が、自己免疫疾患の克服、ガンの治療を実現するために日夜研究を続けています。たくさんの研究者が切磋琢磨する中で、坂口先生の研究は今も、この分野の先頭を走り続けています。 Tregの働きによって、自分の体を攻撃する免疫系の働きは抑えられていますが、逆に言えば、Tregがなければ、免疫系は自身の体を攻撃して、自己免疫疾患を起こしてしまうということになります。Tregは自己免疫疾患の発症を抑制する役割を持ち、Tregの機能異常により様々な自己免疫疾患が発症することが知られています。...続きを読む
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第2回 免疫の中の制御性T細胞(Treg)の働き
免疫と自己免疫疾患
私たちの日常生活には、病気の原因となる異物が溢れています。例えば、通勤電車で隣の人が咳をしていたら、その咳の中に風邪のウイルスがいるかもしれません。よく火が通っていないお肉には、腸管出血性大腸菌がいるかもしれません。春になれば、山からスギ花粉が飛んできます。お風呂場を湿ったまま放っておけば、そこら中にカビが生えます。ウイルスも大腸菌も花粉もカビもみんな、体に入ってくれば排除...続きを読む -
第3回 ノーベル賞の受賞の根拠になった論文2報の解説
ノーベル賞の受賞の根拠になった論文2報の解説 論文解説1 Sakaguchi S, Sakaguchi N, Asano M, Itoh M, Toda M. Immunologic self-tolerance maintained by activated T cells expressing IL-2 receptor a-chains (CD25). Breakdown of a single mechanism of self-tolerance causes various autoimmune diseases. J Immunol. 1995:155:1151-1164. https://doi.org/10.4049/jimmunol.155.3.1151...続きを読む