免疫セマフォリン分子群による免疫応答制御機構の解析
セマフォリンファミリーは1990年代の初めから発生過程で神経の進むべき方向性を決定するガイダンス因子として同定されてきた分子群であるが、その後神経だけでなく器官形成、血管新生、脈管形成、癌の悪性化等への関与も報告されている。私たちの研究グループは2000年に免疫応答に必須の副刺激分子として知られるCD40シグナル関連遺伝子としてセマフォリンCD100/Sema4Dを同定し、セマフォリンの免疫系における役割を見出した。その後Sema4AやSema6Dなど免疫系で機能するセマフォリン分子が次々と明らかとなり(Sema3A, Sema4A, Sema4B, Sema4G, Sema4F, Sema6A, Sema6B, Sema6D, Sema7A)、これらの分子は現在「免疫セマフォリン分子:immune semaphorin」の名称で呼ばれている(Fig.1)。これまでの研究から、免疫セマフォリンは免疫応答の活性化相、分化相、エフェクター相といった様々な相に関与することが明らかとなっている(Fig.2)。本分野ではこれら免疫セマフォリン分子群を「窓」に免疫応答機構の解析を行う。
Fig.1 Representative Immune Semaphorins
Fig.2 Involvement of semaphorins in various phases of immune responses
1991 | 大阪大学医学部医学科 卒業 |
1997 | 大阪大学医学系研究科大学院 修了 |
1997 | 大阪大学微生物病研究所 分子免疫制御分野 研究員 |
2003.12 | 同分野 助教授 |
2006.6 | 大阪大学微生物病研究所 感染病態分野 教授 |
2007.10 | 大阪大学 免疫学フロンティア研究センター 教授 |
2010.11- | 大阪大学大学院医学系研究科 呼吸器・免疫アレルギー内科学 教授 |
1991 | 大阪大学楠本賞 |
1999 | 大阪大学微生物病研究所優秀学術賞 |
2003 | 大阪大学微生物病研究所最優秀学術賞 |
2005 | 第1回日本学術振興会賞 |
2005 | 第8回日本免疫学会賞 |
2006 | 第2回大阪大学教育・研究功績賞 |
2010 | 第28回大阪科学賞 |
2011 | 文部科学大臣表彰・科学技術賞 |
2012 | 第一回大阪大学総長顕彰 |
2012 | 持田記念学術賞 |
2015 | 米国臨床医学会特別会員選出 |