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2011.03.23

IFReCの審良静男拠点長が、ガードナー国際賞を受賞

ガードナー国際賞は、ラスカー賞と並んで、医学・生命科学の分野で最も権威のある賞の一つです。基礎医学および臨床医学分野で卓越した貢献を行った個人に授与され、同賞受賞者には多くのノーベル賞受賞者が含まれていることでも知られています。
ガードナー財団は、去る3月23日に記者会見を行い、2011年のガードナー国際賞を大阪大学免疫学フロンティア研究センター (WPI-IFReC) の審良静男教授・拠点長とジュール・ホフマン教授(フランス国立科学研究センター, ストラスブール大学)、他3名に授与すると発表しました。

<受賞理由>
数々のトル様受容体 (Toll-like receptors; TLRs) の病原体認識機能の解析から、自然免疫による動物の感染防御システムにおける画期的な発見を行ったこと。

<発見の内容>
審良教授は、自然免疫の細胞に存在するTLRsが微生物感染に対するセンサーの働きをして、感染防御を活性化することを発見し、各々のTLRが認識する特定の病原体成分を同定しました。それ以前は、自然免疫の細胞は病原体を特定せず、非特異的に攻撃すると思われていました。審良教授によるTLRsに関する発見は、微生物感染症に対する最初の防御である自然免疫に対する新たな概念をもたらしたものです。
さらに審良教授は自然免疫の研究を通して、TLRsが獲得免疫にとても重要な橋渡しをすることを示しました。獲得免疫は過去に感染した病原体を「記憶」し、それ以降の感染に備える「高度な免疫システム」ですが(予防接種の原理)、自然免疫、特にTLRsの働きが獲得免疫にとっても必須であることが示されたのです。

<応用への発展>
TLRsの活性化が獲得免疫への橋渡しをするという発見から、TLRsの活性化を制御することがワクチン開発、ガン治療、アレルギー、自己免疫疾患(リウマチなど)、敗血症など数々の免疫疾患の治療開発に繋がると考えられ、日々研究されています。



-受賞対象となった研究の解説

-ガードナー財団ホームページ

-審良研究室ホームページ