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Research
2008.10.01

炎症反応のメカニズムを解明 (斉藤教授らが Nature Immunology に掲載)

理化学研究所 免疫・アレルギー科学総合研究センター 斉藤隆グループディ レクター(免疫学フロンティア研究セ ンター教授) 、山崎晶上級研究員らは、ストレスに伴って発現するC型レクチン「Mincle」が、自己組織の損傷を感知し、炎症を誘起する受容体であることを発見しました。


Mincleは、ストレスによって強く発現が誘導される分子として、審良静男拠点長らによって世界で初めて単離された分子です。研究チームは、Mincleの機能解析を進めた結果、MincleがFcRγとの会合を介して活性化シグナルを伝え、マクロファージからの炎症性サイトカインの産生を促すことを明らかにしました。さらに、Mincleが死細胞を認識することも判明しました。実際、細胞死に伴う好中球浸潤は、マウスに抗Mincle抗体を投与しておくことで抑制されました。

これらの結果から、Mincleは、大量の細胞死を感知して炎症性サイトカイン産生を促す活性化受容体であり、生体内での組織ダメージを速やかに察知するセンサーとして働いていることが明らかとなりました。


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<お問い合わせ先>

斉藤 隆(さいとう たかし)
〒230-0045
神奈川県横浜市鶴見区末広町1丁目7-22
(独)理化学研究所 横浜研究所
免疫・アレルギー科学総合研究センター免疫シグナル研究グループ
(免疫学フロンティア研究センター 免疫シグナル研究室)

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