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トキソプラズマ原虫による免疫抑制機構の解明 (山本助教・竹田教授らが J. Exp. Med.に掲載)

免疫学フロンティアセンターの竹田潔教授・山本雅裕助教らの研究グループは同センターDaron M Standley准教授と共同で、トキソプラズマ原虫が宿主感染時に打ち込むROP16というリン酸化酵素が宿主の抗炎症性転写因子であるStat3を直接活性化することで自然免疫応答を抑制することを明らかにしました。

トキソプラズマ原虫は日和見感染症を引き起こす寄生虫病原体ですが、妊婦やAIDS患者、癌患者などの免疫抑制状態にある人々に脳症を始めとするトキソプラズマ症などの重篤な結果を引き起こし、最悪の場合はしばしば死に至ります。トキソプラズマ原虫は病原性から3つのタイプに分類され、抗炎症性転写因子であるStat3依存的に宿主自然免疫応答を抑制しますが、II型原虫はI型・III型原虫に比べその程度が低いこと、また、Forward geneticsによりROP16というリン酸化酵素がI・IIIとII型の間の違いを説明する候補分子であると報告されました。

今回Reverse geneteicsを用いてROP16を欠損するI型原虫を作製し、ROP16欠損I型原虫はStat3を全く活性化できず、従って、宿主自然免疫応答を抑制できないことから、I型とII型原虫の違いがROP16により決定されることを証明しました。また、そのメカニズムについては、ROP16がStat3に結合し直接リン酸化することを見出しました。

さらに、II型ROP16はI・III型ROP16と比較し多型に富んでいることが知られていましたが、その多型の内リン酸化酵素活性部位の一つのアミノ酸の置換によりII型ROP16の活性が劇的に弱まることを生化学的・遺伝学的・bioinformatics的手法で明らかにしました。


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<お問い合わせ先>

竹田 潔
大阪府吹田市山田丘2-2
大阪大学免疫学フロンティア研究センター (IFReC) 粘膜免疫学研究室
(大阪大学医学系大学院)
大阪府吹田市山田丘2-2

ktakeda@ongene.med.osaka-u.ac.jp

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