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Research
2010.10.02

セマフォリンと受容体プレキシンの複合体の立体構造を解明 (高木教授(阪大蛋白研)・熊ノ郷教授(IFReC)らが Nature に掲載)

大阪大学蛋白質研究所の高木淳一教授、IFReCの熊ノ郷淳教授らの研究グループは、様々な病気の鍵分子で治療の新たなターゲットとして注目されているセマフォリンと、その受容体プレキシンの複合体の立体構造を世界に先駆けて決定しました。熊ノ郷教授が代表を務める「ターゲットタンパク研究プログラム」による成果です。

当初、神経軸策の方向性を決定する神経ガイダンス因子分子群として発見されたセマフォリン-プレキシンですが、免疫の働きや骨や心臓を形作る際にも重要であることが解明されてきました。現在は、ガン、自己免疫疾患、アトピー性皮膚炎など、我々の健康に密接に関わる分子群であることが明らかになっています。

今回の研究では、通常は不活性なダイマーを形成するプレキシンが、セマフォリンにより分離し、モノマーが別々にセマフォリン結合し、「パートナーを替える」ことで細胞内に信号を伝えていることを示しました。


20101002_Nature_semaphorin.jpg Figure: Structures of the Sema6A face-to-face homodimer (L), PlxnA2 head-on dimer (C) and Sema6A-PlxnA2 2:2 complex (R). Individual propeller blades are coloured differently in one monomer. Arrangement of the toroidal propeller domains within the structure is schematically depicted in the cartoon next to each ribbon presentation.


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ターゲットタンパク研究プログラム