News & Topics

HOME > News & Topics > Research > 2014年度 > 単純ヘルペスウイルスが宿主に感染するメカニズムを解明 (荒瀬 教授がPNAS に掲載)

単純ヘルペスウイルスが宿主に感染するメカニズムを解明 (荒瀬 教授がPNAS に掲載)

IFReC の荒瀬尚教授/北海道大学大学院薬学研究院の前仲勝実教授らの共同研究グループは、単純ヘルペスウイルスが宿主の免疫細胞から排除されることなく、体内へ入り込む巧妙な感染機構を解明しました。

単純ヘルペスウイルスは脳炎や口唇ヘルペス、性器ヘルペス、皮膚疾患、眼疾患、小児ヘルペスなど、多様な疾患を引き起こす難治性の病原性ウイルスです。特に性器ヘルペスは既存の抗ウイルス薬では完治が不可能で、ヘルペス脳炎による致死的もしくは重度の後遺症が生じる場合があります。単純ヘルペスウイルスの感染機構の解明は、これらの感染症を制御するうえで大変重要です。

本研究では、宿主の免疫細胞表面にあるPILR たんぱく質と、PILR とgBが結合した複合体の立体構造を世界で初めて明らかにすることによって、原子レベルで結合機構を解明しました。PILR はこれまでgBの糖部分を認識していると考えられていましたが、実際は糖部分だけでなく、たんぱく質(ペプチド)部分の両方を同時に認識していました。さらに、PILR たんぱく質に結合する7アミノ酸からなる糖ペプチドを加えると、PILR たんぱく質を競合阻害し、単純ヘルペス感染を阻害できることが判明しました。

今回明らかとなった新しい認識機構は、ウイルス侵入メカニズムの理解や侵入阻害剤の開発だけでなくPILR による広範な免疫機能の調節機構の理解とその調整薬やワクチンの効果を高める薬(免疫賦活化剤、アジュバント)の開発につながると考えられます。


荒瀬 PNAS 解説_20140603.pdf


Article


Contact:

荒瀬 尚 (あらせ ひさし)
免疫化学
大阪大学免疫学フロンティア研究センター (WPI-IFReC)

Archives

 
TOPに戻る