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Research
2012.03.06

自然免疫細胞が炎症を抑える新たな仕組みを解明 (竹田潔 教授らが PNAS に掲載)

大阪大学大学院 医学系研究科・免疫学フロンティア研究センターの竹田潔 教授と香山尚子 助教らは、腸の粘膜に存在する自然免疫細胞の一部が炎症を抑制する仕組みと、その自然免疫細胞の異常により炎症性腸疾患(IBD)が発症することを明らかにしました。

IBDの主な原因は、炎症を誘導する獲得免疫細胞注の異常によるものと考えられ、これまでの研究の中心も獲得免疫細胞でした。一方で、自然免疫細胞が獲得免疫細胞の働きを制御することがわかってきていましたが、IBDの発症における自然免疫細胞の役割には不明な点が多くありました。

同研究グループは、自然免疫細胞の一部が獲得免疫細胞に結合してその働きを抑制することを明らかにし、この自然免疫細胞を、「制御性ミエロイド細胞(Mreg(エムレグ)細胞)」と名付けました。IBDを発症するモデルマウスに、正常なMreg細胞を与えると腸炎の症状が改善することを明らかにしました。本研究成果は、自然免疫細胞が腸炎を直接抑制する仕組みを明らかにしたもので、IBDの治療法開発に新たな可能性を与えると期待されます。


竹田潔_PNAS 解説.pdf


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<お問い合わせ先>

竹田 潔(たけだ きよし)
粘膜免疫学研究室
大阪大学免疫学フロンティア研究センター (WPI-IFReC)