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脳マラリアの新たな診断と治療のターゲット「嗅球」を発見 (COBAN 准教授が Cell Host & Microbe に掲載)

IFReC マラリア免疫学研究室のジェヴァイア・チョバン(Cevayir Coban) 准教授らの研究グループは、脳マラリアの新たな診断と治療のターゲットを発見しました。


世界の多くの地域でいまだに多数の患者と死者をだしているマラリア感染において、昏睡、高熱、痙攣などを起こすもっとも重症な病態のひとつが脳マラリアです。この病態に対する早期診断、治療法ともにいいものがなく最も死亡率の高い危険な病態といわれています。

今回の研究において、
1. 世界最高精度のMRIを用いることでマラリア感染時に脳の臭いを感じ取る重要な部位「嗅球」にて早期に変化が起こることを世界に先駆けて発見しました。
2. 脳の嗅球の微細構造を2光子顕微鏡を用いて生きたまま観察し、嗅球でのマラリア原虫と免疫細胞の相互作用や毛細血管が出血する瞬間の動画を撮影することに成功しました。
3. 以上の結果と詳細な免疫学的な解析により、マラリア原虫が「嗅球」の毛細血管にとどまり(引っかかり)、局所で過剰な免疫反応が起きることによって、微小な出血から血液脳関門の破壊、そして続いて起こる全身の高熱が脳マラリアの病態の引き金になっていることを見出しました。
  4. さらに嗅球の重要な機能である「臭い」の異常が脳マラリアの早期診断の鍵になる可能性があり、また、嗅球に集まる免疫細胞を抑える薬を用いることで脳マラリアによる死亡率を下げることができることを示すデータも示されました。

今回の成果は脳マラリアを悪くする免疫細胞の嗅球への移動を抑制する治療、予防法が開発可能であることを示唆する重要な知見だと考えられます。今後の脳マラリアの脳科学的、免疫学的な理解が深まるとともに、新たな診断と治療のターゲットが開発されることが期待されます。


Coban_CHM 解説_201405.pdf


Article


Contact:

ジェヴァイア・チョバン (Cevayir Coban)
マラリア免疫学
大阪大学免疫学フロンティア研究センター (WPI-IFReC)


石井 健 (いしい けん)
ワクチン学
大阪大学免疫学フロンティア研究センター (WPI-IFReC)

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